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コンサルタントの顧客

資金に余裕がある時こそ経営コンサルタントの使い時

経営コンサルタントをしていると、「もっと早く言ってもらえれば・・・」ということが多い。経営コンサルタントに依頼をするのは、業績が厳しくなってからという風潮が見られるが、実は本当に経理コンサルタントを使いこなしたいのであれば考え方が逆である。

つまり、儲かっている時こそ、経営コンサルタントに依頼をして欲しい、と思うのだ。その理由は、資金の問題にある。

資金がなければ何もできない

「もう資金繰りが大変なんです!」という状況で相談されも、結局は資金がなければ何もできないというのが現状だ。

これは、経営コンサルタントの報酬という意味ではなくて、資金がなくては打つ手が限定されてくるのが当然である。

資金がなければ会社は回って行かないから、経営コンサルタントは何を言うのかというと、「経費削減」だとか、「人員カット」ということになる。そんなことは依頼者としてはコンサルにわざわざ相談しなくても分かっていることで、それ以外の方策を相談したいはずだ。

しかし、実際にコンサルの身になって考えてみれば、資金がなくては営業力強化もできなければ販売促進もできない。だから、できるだけ固定費を削減して何とかこの苦境を乗り越えよう、といった方向性しか見出せなくなる。

厳しいときこそ、経営コンサルタントの腕の見せ所と思うかも知れないが、必ずしもそうはいえないのだ。

例えば、病気になったことを考えてもらいたい。

よく、経営コンサルタントは企業の医者だと例えられる。ではそれに当てはめてみるとどうなるか。

あなたが、普段から痛いところがあるのに放置していた。そして、いよいよ我慢できなくなり、病院に行くことになった。しかし、痛いのを自宅でずっと我慢していたため、お金はそれほど持っていない。

お医者さんは、「なんでもっと早く来なかったんですか!すぐに手術します!」と慌しい。しかし、あなたには手術に要するお金はないのだ。この場合・・・

経営コンサルタントも実は同じで、手術の方法(経営を立て直す方法)はいくらでも思いつく。しかし、その資金がなければそういった手法も実行できない。また、それを実行するために新たな資金を借り入れるということもできなくはないが、「すでに買い入れが難しい」ことが多く、また、「100%成功するという保証はない」という観点から、やはり言い方は悪いが延命策をとるしか方法がない。

企業から人が減るというのは、その分誰かに業務の負荷がかかったり、人員が減るということは企業規模が縮小していき、大きな仕事が受注できなくなるなどキャパも減少する。固定費や減るが売上も減り、従業員のストレスがたまるということは珍しくない。まさに悪循環に陥るということだ。

実は経営コンサルタントというのは、「資金に余裕がある時に使う」のが正しい使い方。資金があればたいていの施策が打てる。だから、儲かっているときこそ、さらなる収益の獲得を目指してコンサルを依頼する。実際に、儲かっている企業というのは、将来への投資だと考えてコンサルを入れているものである。

最近は、病気を治すのではなく、病気にならないという考え方が一般的になってきた。だから、人間ドックや検診には多くの人が行くようになっている。

経営の世界でも、同じようなことが流れとしてできてくれば、企業もコンサルも互いに持てる力をフルに発揮できるのに、とつくづく思う。

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