この記事は、前回の記事である経営コンサルタントを辞めて事業家として会社を起業する選択肢①の続きです。
経営コンサルタントが自ら起業する3パターン
前回紹介したのは、
1.自分でやった方が早い
ということで、クライアントがなかなか行動しないことに業を煮やして自分でやってしまう、というケースです。
今回は、残りの2つを見ていきます。
2.儲かりそうなビジネスモデルを見た(あるいは思い付いた)
経営コンサルタントは、さまざまな企業に入り込む。となれば、必然的に今の時代にどのようなビジネスが儲かっているのかということを知ることになる。
あるいは、それらを参考に、どのようにすればもっと儲かるのかということを自分なりにイメージすることができる。
しかし、それをクライアントに提案しても受け入れられるとは限らない。
そうなると、やれば儲かることは分かっているのだから、自分でやってしまえ!という発想になることがある。
または、新たな価値を組み替えて、自分でやったら儲かるのではないかと考えても無理はない。
通常、経営コンサルティングを行う際には守秘義務契約を結ぶため、経営コンサルタントが知りえた情報を外部に流出させることは当然に契約違反である。
しかし、経営コンサルタント自らが知り得た情報を使って、自らが起業する、自らが利用するというのはどうだろうか。
もちろん、これはこれで人に教えるのも、自分で使うのも契約違反になるであろうが、実態としては経営コンサルタントが自分で起業するとなると、当該企業の情報を活用したという根拠を見つけるのが乏しいということになってしまう。
全く同じビジネスを立ち上げるということではなく、経営コンサルタントであれば、利益創出の過程を組み替えたり、ビジネスモデルを少し変更して、似ているけれど違うというように持っていくことは不可能ではないからだ。
いわゆるインサイダー的な行動ともいえるが、実際にはこういったことを行うケースもあるようだ。モラル違反といわれればそれまでであるが、経営コンサルタントが裏でビジネスを興しているのもこんなことが影響しているのかもしれない。
3.資金提供者が現れる(アライアンスの誘い)
経営コンサルタントを行っていると、さまざまな人から声がかかるようになる。
たとえば、一緒に新規のビジネスをやらないか?という誘いは多いし、今はこのようなことをやっているのだけれど、このところでお力を貸してほしい、というような話もとても多い。
また、金銭的に裕福な人との付き合いも多いため、「君に資金を提供するから何かやってみないか」というエンジェル的な存在の人が現れることも多い。
一般的に良いビジネスアイデアを思いついても、資金不足によってその実現が阻まれているというケースは少なくない。
一方、資金があれば軌道に乗せることができるというアイデアがあれば、それは経営コンサルタントにとっても自ら挑戦する意味はある。
そんな流れの中で、自分で起業するというケースが見受けられる。
以上、よくある3つのパターンを紹介してきたが、もちろん、ほかにもさまざまな要因があるだろう。
たとえば、多くの経営者と接しているうちに、自分も触発されて、会社を経営したくなるということもある。儲かるかどうかということよりも、経営者の苦労を自分も経験したいということもあるだろう。
いずれにしても、経営コンサルタントだから一生経営コンサルタントであり続ける必要などない。
自分の人生は限られているのだから、やりたいことをやるのが一番だろう。
そういったことができやすいのも経営コンサルタントという職業の特徴ではないだろうか。