経営コンサルタントが売るもの、すなわちクライアントに提供しているものは何だろう?それは、知識と経験である。
よく、「コンサルタントに依頼すると高い」と言われることがあるが、知識と経験と言うものは金額的に高いのである。なぜか?それは、知識は多くの失敗から生み出されているものだからである。
経営コンサルトンは基本的にクライアントの要望を実現するためにアドバイスを行うのが主業務である。この場合、その要望を成功に導くことが求められる。成功に導くためには、単に成功事例だけではなく、多くの失敗事例を知っていなければならない。
これらの失敗経験を含めて「成功への道筋」を提供するのがコンサルタントの仕事だとも言える。
成功から得るものは基本的に少ない。なぜならば、それがなぜ成功したのか成功要因が掴みにくいからである。一方、失敗から学ぶことはとても多く、なぜ失敗したのかをしっかりと分析・把握することができれば、それをケースとして他の事例に当てはめることが可能となる。
もちろん、これらの失敗と成功を当該クライアント企業が自分で経験することも可能である。しかし、そのためには多くの時間とコストがかかってしまう。
一方、経営コンサルタントはそれらの知識や経験は既に有している。多くのクライアントの結果や自らのビジネスの実体験としての経験が知識に変換されているからである。
そこには、多くの時間と多くのコストが掛かっている。だから、経営コンサルタントは「高い」のだ。しかし、クライアントが自分でそれを経験するよりも、はるかに時間的にも金額的にもコンサルタントに依頼したほうが合理的なはずである。
それを知っている企業は、経営コンサルタントを上手く使っていると言える。そして、経営コンサルタントは、自ら様々な経験を常に意識して、挑戦し、失敗し、その中から成功の法則をつかみ出しているのだ。まさに、勉強が仕事だと言える。