経営コンサルタントには一匹狼が多い。もちろん、一匹狼的な経営コンサルタントは、業務に限界も生じる。しかし、なぜ経営コンサルタントには一匹狼が多いのだろうか。そこには大きく2つの理由がある。
まず、一つは純粋に一人で経営コンサルタントとして活躍したいという場合。経営コンサルタントに限らず、どの会社でもこういった人はいるだろう。
優秀で一人で全てこなすことができる。あるいは、一人で全てこなさないと気がすまないと言うタイプの経営コンサルタントだ。まさに、自ら望んで一匹狼になるタイプ。業務に限界はあるが、人の手を借りてまで行う必要はないというタイプである。
一方、新米経営コンサルタントの時は、仲間とワイワイ仕事を行ったり、仕事をお互いに融通し合っていたのにも関わらず、どこかの段階で一匹狼に変化する経営コンサルタントがいる。それはなぜか?
実は、経営コンサルタントの世界も結構腹黒い世界なのだ。つまり、仲間同士で顧客の奪い合いを行うことなど日常茶飯事だ。
例えば、数人で経営コンサルティングを行っていたとする。しかし、クライアントからコンサルティング契約の打ち切りをされた。これは仕方のないことだ。その晩は、仲間同士で酒を飲み、今後のみんなの活躍を誓う。
そして、あなたは数ヶ月後に気付くのだ。仲間のうちの一人が契約打ち切りになったはずのクライアントに対してコンサルティングを行っている姿を。
まあ、こんなことは経営コンサルタントの世界でいえば珍しいことでは何もない。経営コンサルタントが提供しているのは、物ではないから、有形ではない。極端な話、クライアントからすれば経営コンサルタントの能力云々よりも、その経営コンサルタントを「気にいるか、気に入らないか」というレベルで判断を行っていることも少なくない。
そういった仲間割れ的なことは、コンサルティングの現場では頻繁に起こる。結果的に、少なからず同業者に人間不信的な意識を持つ経営コンサルタントもおり、それが一匹狼化するのだ。
実力があれば、何も他の経営コンサルタントと群れる必要もない。自分一人だけでも、年収で1千万程度なら難しくないし、収入的にも十分だと言うのであれば、一人でやった方が気楽と言うこともあるだろう。
いずれにしても、人を疑うのは良くない。しかし、誰でもお金が絡むと人格は変わるのだ。昨日までどうしてそこまで仲良しなのかという兄弟が、相続問題が絡んだ結果、一瞬のうちに骨肉の争いになるという現場は、経営コンサルタントで事業承継に絡む案件にタッチすればよく目にする光景だ。
人間のお金に対する欲・執着は終わりがない。昨日の仲間は今日の敵。あなたも、仮に一匹狼でも十分にやっていけるスキルを早めに磨いておいた方が良いだろう。