出版が経営コンサルタントの王道的な営業方法だとしたら、もう一つは講演である。
これは、自分の知識を人に伝えることで信用力を得るもので、現在でも多く利用されている方法である。経営コンサルタントに限らず、士業の営業方法としては昔から活用されている。
講演やセミナーなどの講師として自らが登壇することで、そこに参加した人を惹きつけ、顧客にする。「あの先生に依頼したい」と思ってもらうのが重要となる。そのためのポイントは大きく分けて3つある。
ここでは、3つのポイントについて触れていこう。
まず、大前提として講演やセミナーの参加者を「集客」しなければならない。これが意外と難しい。名のある有名人であれば、参加費が高額になっても集客には困らない。しかし、新米の経営コンサルタントが講演を行っても、知名度がないわけだから例え無料であってもそう簡単には集客することができない。
しっかりとした集客を行う仕組みを作る、あるいは利用するのがまず第一のポイントである。
次に、講演やセミナーをしっかりとできるか?ということが次のポイントである。経営コンサルタントになれば、講演やセミナーなどを行う機会が多い。しかし、講師として人前に登壇することは、それほど簡単なことではない。恐らく、経営コンサルタントが10名いたら、講師として食べていけるのは1名程度。
もちろん、講師業だけで生活するということはないにしても、それでも人前で話すことができる経営コンサルタントはそれほど多くはない。
また、話すことができたとしても、参加者の興味を惹き、「この先生にお願いしたい」と思ってもらうためには、それなりの講演技術が必要だ。これが第3のポイントになる。
そもそも集客に成功しても、講演ができなければ意味がないし、講演を行う技術に優れていなければ、むしろ悪評を広める結果にもなる。そのため、しっかりと講師としての腕を磨き、その上で集客の仕組みを設計して、講演やセミナーを実施する必要があるのだ。
ただし、講師としての技術を高めるのはそれほど難しいことではない。いずれ、その方法についてご紹介するつもりである。