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コンサルタントの現実

勝ち組コンサルタントと負け組コンサルタントの二極化

勝ち組・負け組という言葉は死語に近いが、経営コンサルタントの世界は勝ち組と負け組の二極化が進行しているといえる。

言い換えれば、儲かっているコンサルと儲かっていないコンサルとの差が開く一方で、その中間はあまり存在しない。何もこれは経営コンサルタントの世界だけの話ではない。世の中の富も同じことだ。

【差が開く時代】

20対80の法則とかパレートの法則と呼ばれるものがある。これはさまざまなものに当てはまるという普遍性があるといわれている。

例えば、日本の富の80%は20%の人が持っているし、ある会社の売上の80%は20%の営業社員で売り上げている。別の言い方をすれば、20%の努力で80%の成果を生み出すとも言われる。

その日の仕事の成果のうち80%は、その日の20%の仕事から生み出されている。ならば、80%の仕事は20%の成果しか生み出していないということになる。10時間がんばって仕事をしたとしても、そのうちの2時間で8割の成果を出しているということだ。

今までは、平等意識が強く、皆で同じ仕事をして同じ報酬をもらうという考え方が日本では支配的だった。なので、競争原理が働かず、安定志向という名の「日本型経営」というものが存在していた。最も、戦後の日本が飛躍的な経済大国になったのはこの日本型経営のおかげであったのもまた事実。

しかし、競争原理が強まるにつれ、徐々に差が開きつつある。

先の20対80の法則(パレートの法則)というのは、対象が広くなるほどよりその数値に近づくといわれている。要するに規模が大きい、時間が長くなる、そういった全体性が大きくなるにつれて数値的に近くなるといわれる。

ならば、日本の時間軸も長くなればなるほど80対20の傾向が強まるということができる。確かに、最近の富のアンバランスは誰もが納得行くところだろう。

自分とさほど違わないような人のはずなのに、収入が全く異なるケースや、大きく成功している人の影で失敗してどうにもならない状態の人もいる。一昔前のように、皆同じという時代ではなくなったのだ。

これは弁護士にもいえるし、医師にも言えるし、経営コンサルタントにも全く同じことがいえる。

もちろん、何を基準に「勝ち」とするか「負け」とするかの議論の余地はある。しかし、少なくても富=お金を抜きに上記の議論をすることは難しいし、経営を少しでも勉強したことのある人であればお金=貢献度、ということも理解できるはずだ。

ならば、経営コンサルタントには「世の中に貢献している人」と「貢献していない人」の二極化が進んでいて、貢献している人はごく少ない数であるがその見返りは大きなものであるということがいえる。

乱暴な言い方であることも否定できないが、ある意味事実を捉えているだろう。

これからの経営コンサルタントは、勝ち組・負け組という考え方を「貢献の度合い」という観点で考えることも重要である。なぜならば、経営コンサルタントの貢献は、クライアントの更なる貢献と相俟ってシナジー(相乗効果)を発揮し、社会に大きく還元されることになるからである。

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