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コンサルタントの現実

独立組もチーム行動がコンサルタントには必要

経営コンサルタントを目指す人の多くは、独立を志向しているようだ。もちろん、すぐに独立というわけではなく、将来的に独立したいというコンサルタントの方が多いだろう。すぐに独立してクライアントを簡単に獲得できるほど経営コンサルタントの世界は甘いものではない。

経営コンサルタントとして独立したとしても、チームで行動することは意外と多くなっている。

相当特殊な能力や実績、高度な専門性があれば別であるが、通常であれば一定期間を修行的に過ごし、その上でタイミングを見て独立を図る。実際には、独立して食えるという経営コンサルタントはわずかであり、企業内で活躍する道を長期的に余儀なくされるケースも多い。

経営コンサルタントには変わり者?が多いこともあって、独立志向が高い人が多い。どちらかというと、組織ではアウトロー的であり、あるいは、異端児的な人が多数を占める。(これは自分も含めて誤解のないように注釈をしておきたいが、けなしているわけでも馬鹿にしているわけでもない。むしろ、経営コンサルタントにとって変わり者というのは一種のステータスでもある)

従来であれば、独立して一匹狼的な経営コンサルタントとして活躍する道があった。もちろん、今でもその道は存在しているが、やはり最近多いのはコンサルタント同士がネットワークを使ってチームでコンサルティングを行う業務である。

そもそも、こういった時代にあっては経営コンサルタントにも専門性が求められる。全てをソツなくこなせる経営コンサルタントではなく、自分の専門性をしっかりと磨いている経営コンサルタントが重宝される。まさに、自分の能力や専門性の「選択と集中」である。

一方、企業が抱える問題は高度に複雑化しているのが現状だ。今まであれば、それなりの広範な知識や経験を有していれば一人のコンサルタントでも対応できた案件が、最近では、経営コンサルタント側の選択と集中およびクライアント側の課題複雑化によって、一人の経営コンサルタントではとても対処することができないレベルとなっている。

もっとも、中小零細企業(従業員数でおよそ100名以下)であれば、それなりにさまざまな問題が絡み合っていたとしても、一人で十分だろう。しかし、それ以上の規模になってくると、そう簡単にはいかない。

生産効率を上げたいという企業のオーダーに対して、自分はIEその他が専門だからと経営コンサルティングを始めてみると、生産の問題ではなく実は販売に問題があったという真因にいきつく場合も少なくない。

この場合、生産の専門家だけではどうすることもできず、まさにお手上げ。誰かに依頼をせざるを得ない。この際に、たとえ独立している経営コンサルタントであっても、チームで動く必要が出てくるのである。

自分は生産しか分からないから終わりということではなく、自分の仲間の手を借りて当該クライアントに対して最良の経営コンサルティングを行うわけだ。

この場合、手伝ってもらった経営コンサルタントには一定の報酬を支払うのは当然だろう。しかし、逆の立場で考えてみれば、自分も他の経営コンサルタントからお呼びが掛かる可能性もある。

だとすれば、今後は経営コンサルタント同士のネットワークも意外と重要になってくるといえる。さらに、自分は一体、「何の専門家か」「何に強いのか」ということを明確にして、対外的にも示すことが必要だろう。そうしなければ、自分に声が掛かることはない。

いずれしても、経営コンサルタントとて人付き合いは重要であるといえるだろう。

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