経営コンサルタントも不景気の影響を受けているのだろうか?という疑問があると思う。確かに、不景気になれば、企業側にも余裕がなくなってくるので、コンサルタントに依頼したり、雇ったりする費用は抑える傾向にある。
一方で、不景気だからと言って、全ての企業の業績が低迷しているということではない。これは、バブル期にも同じことが言えて、バブルだからと言って全ての企業が儲かっていたわけではない。企業の特性上、他の企業が儲かっているときは自分が儲からず、他の企業が低迷しているときは、自分が儲かるという業種なども多く存在している。
つまり、この不景気においても儲かっている企業は実はたくさん存在しているのだ。比率的には少ないため、全体的に不況という形で埋もれてしまうが、このご時勢に過去最高の利益を出しているような業種や企業は山ほどある。
もちろん、儲かっている企業はあまりそれを表に出すと、叩かれる標的になるので、できるだけ隠そうとする。だから、外からは見えないものの、コンサルタントには様々な情報が入ってくるから、そのようなことは知り尽くしているのだ。
儲かっている企業があるならば、経営コンサルタントはそれほど影響を受けていないのか?と言うことになるが、結論から言えば経済環境はそれほどコンサルタントの依頼状況には左右されない。コンサルタントが影響を受けるのは、自分や自分の会社の人気度だけである。これが結論なのだ。
要するに、人気のあるコンサルタントであれば、景気は全く無関係に仕事がある。人気のないコンサルタントには、景気が良かろうが悪かろうが仕事は来ない。単純に実力の世界なのである。
ところで、なぜ、景気に左右されないのかと言うと、それは、企業の経営戦略が二極化されるからである。
好景気にはさらなる業績拡大を目指して、経営コンサルタントのアドバイスを受けたいというニーズが存在する。不景気には、何とか損失を食い止めるために、コンサルタントのアドバイスを受けたいと言うニーズが存在する。
このように、景気の問題ではなく、当該企業がどのように舵取りするのかで、仕事の有無が決まる。いずれにしても、依頼するのであれば新米の名前も知らないような経営コンサルタントに依頼するよりも、本を出版していたり、テレビに出ているようなコンサルタントに依頼しようとする。だから、人気度や知名度がコンサルタントの仕事量を決めていく。
安いから依頼するということはあまりない世界であることも特徴だ。安かろう悪かろうがモロに存在するのがコンサルタントの世界。コンサルタントが関与する案件は、経営戦略的なことが多いので、失敗は許されない。だから、企業も安いから依頼するという判断基準はない。
高くても信頼できるコンサルタントに依頼することになる。それがまた、人気のあるコンサルタントに仕事が集中する理由でもあるのだ。