経営コンサルタントには、ある程度の図々しさや図太さが必要だ。その典型的な例が、忙しいふりをすることだ。
普通に考えば、忙しい人ほど貴重な人財である。忙しい人ほど優秀である。忙しいほど、売れっ子である。これらは、人間の心理として疑う余地がない。つまり、「忙しい」というのは、経営コンサルタントにとって「武器」にもなり、それが「信頼」にもなっているのだ。
コンビニにが2つある。1つは、お客さんでごった返して店員が忙しそうに動き回っているお店。もう一つは、店内がガラガラで、お客さんはほとんどいないお店。
あなたならこの2つのお店のどちらに入店するだろうか?
ほとんどの場合、店内が混み合っているコンビニの方に入る可能性が高いといえる。そこには、ここなら大丈夫と言う安心感と、そして理由は定かではないものの何らかの信頼をそこには抱いているからだ。
普通に考えれば、どこのコンビ二でも販売している商品も値段もそれほど変わらない。しかし、混み合っているお店の方がなぜか魅力を感じてしまう。そして、わざわざ並んでまでも購入しようとする。
これは、コンビニに限らず、ラーメン店など全て共通のことである。もちろん、経営コンサルタントでも同じことだ。
経営コンサルタントの戦略として、「暇であってはならない」と言う原則がある。暇だと言うことは、自分が人気のないことをアピールしているようなものだ。これでは、誰もいないコンビニと同じように、顧客はそこに入らずに素通りしてしまう。
もちろん、現実的に毎日が忙しいとは限らない。しかし、敢えて忙しいふりをすることも経営コンサルタントにとって重要な要素だ。忙しいふりをしたとたん、一気に仕事が増えて、現実に首も回らないくらい忙しくなってしまったというケースは少なくない。
ある経営コンサルタントは、無料で人と会わないと決めている。このご時世、随分強気な経営コンサルタントと思われるかも知れないが、この戦略を取るようになってから、彼の元には仕事がどんどん舞い込んでいる。どうも、いつも忙しいくて評判の経営コンサルタントと話題になっているようだ。
忙しいと言うことは、人気のある経営コンサルタントだと思わせることができる。どんなに暇でも、敢えて忙しいふりをする。
特に、経営コンサルタントになりたての頃は、何でもやります、いつでもやりますと言うように何でも屋になりがちだ。もちろん、そういった戦略も否定はできない。しかし、先のことを考え、自分の価値を上げるためには、「常に忙しい状態」を保つのも重要だろう。
クライアントも忙しい経営コンサルタントが会いに来るからこそ、そこに価値を感じることになるし、満足度も高まるのだ。
経営コンサルタントは、時に図々しく、図太くなければならない。