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コンサルタントの世界

事業仕分けの影響【チャンス・ピンチ】

経営コンサルタントの中には、収入の多くを公的機関に依存しているケースが多い。善し悪しは別として、そのような実態があるのは事実で、一昔前はそれでかなりの収入を得ることができた。

現在でも、収入の全てが民間企業等からという経営コンサルタントは少ないだろう。少なくても、講演や研修など公的機関からある程度の依頼があって、それなりの収入になっている経営コンサルタントが多いはずである。

一方、公的機関の予算は縮小傾向であり、経営コンサルタントにも影響を与えている。特に、今回の一連の事業仕分けは経営コンサルタントの中でも、特に地方の中小企業診断士には死活問題になる可能性がある。

地方での経営コンサルタントが関わる案件は、東京の業務量の100分の1程度といわれ、ごく限られたパイを奪い合っている状況なのだ。

その点、公的機関からの依頼はなくてはならないもの。非常に重要な収入源である。しかし、それが一連の事業仕分けによって大きく予算が削減されている。今後も、それほど多く回復することはないだろう。

そもそも、予算が大き過ぎた、無駄な予算であった、効果が見えない、等の意見はあるかもしれない。しかし、それらの事業によって救われた中小企業も多いはずで、その意味では事業仕分けには疑問の声もある。

しかし、そうなってしまった以上、今後の経営コンサルタントは、公的機関依存体質から抜け出さざるを得ない。公的機関から民間企業へ業務のウエイトをシフトしていく必要がある。

そこで必要になるのは、「営業力」だ。経営コンサルタントにも、競争の原理が今後は益々働いていくだろう。既に、弁護士や公認会計士の業界では、競争により閉店休業を行わざる得ない有資格者が出始めている。

自分で集客して、自分で営業して、自分でコンサルティングを行い、自分のコンサルティングで成功を出さなければ今後の経営コンサルタントに明るい未来はない。既に、淘汰されつつある業界の仲間入りなのである。

これから経営コンサルタントになろうと考えている人には暗い話のように思えるかも知れないが、むしろこういった環境変化を「チャンス」だと捉えることができなければ経営コンサルタントになることはできないし、続けることもできないだろう。

経営コンサルタントは経営の専門家、プロフェッショナルなのだ。自分でお客様、クライアントを作ることができなければ、それは経営コンサルタントとはいえないのだから。

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