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中小企業診断士資格

中小企業診断士の認知度はどのくらい?【資格分析②】

この記事は、中小企業診断士の活用度はどのくらい?【資格分析①】からの続きです。

中小企業診断士資格は民間企業では何それ?

公的機関では、中小企業診断士の資格は非常に効果的で、重要な役割を担うことは明らかである。

では、一般の人からするとその認知度はどうなのか?と言われれば、答えは単純でほとんど認知度はない。

そもそも、中小企業診断士という資格自体は、受験者や勉強する人にとっては憧れ的な存在であるかも知れないが、中小企業の社長からすれば何の役にも立たないし、だから何?といった感じであることが実態である。

もちろん、金融機関などでは一目置かれる存在であることは間違いない。しかし、それも金融機関の職員が中小企業診断士を持っていると社内的に優遇されるからである。実際に、受験者の中には銀行や証券といった受験生が多くなっている。

大手企業であれば、中小企業診断士という資格を知ってる可能性は高まるが、だからといってことさらの信頼感を得られるということでもないし、特別扱いされるということでもない。

中小企業診断士の勉強と並行して行うと取得しやすい資格(検定)に、販売士検定がある。販売士検定は1級クラスになるとそれなりに難易度が高く、特に小売業や流通業では、店長昇格の基準ともなっている会社が多いことから、むしろ中小企業診断士よりも価値が高いと思われている。

実際に、中小企業診断士のHPや名刺を見てみるとわかるが、中小企業診断士と販売士1級を併記しているケースはたいへん多い。

中小企業診断士の受験生や合格者からすれば、販売士1級に比べて難易度も高く、その分権威や知名度もあると考えがちであるが、実際のマーケットはそういう反応ではない。だから、わざわざ中小企業診断士という上位資格を持っていながらも、販売士1級を併記しなければいけないのである。販売士1級は、商工会議所や商工会が検定会場として実施されることもあり、その難易度の高さは職員がよく知っている。

よって、中小企業診断士と販売士1級のW取得は、特に公的機関の職員には受けが良いようである。

資格の合格能力とコンサルティング能力の差

中小企業診断士という資格は、支援する側(公的機関や受験者、実際の中小企業診断士)にはたいへん有名な資格である。一方で、支援を受ける側(企業の社長や管理職)からすれば、あまり知られていないというのが実態である。

これはある意味でギャップが生じているということになるが、良く考えてみれば当然といえば当然である。

極端なことをいえば、支援を受ける側、すなわち社長からすれば、コンサルタントが何者であるかは全く関係がない。

要するに、その人が売り上げを増加させるヒントや問題の改善をしてくれれば、それが誰であっても問題ないわけである。

自分たちが抱える問題を解決してくれる人が必要なのであって、別にコンサルタントでなくてもよいし、有名であるか無名であるかはまったく関係ないともいえる。

砂漠で水が欲しいときに、水専門店から水を買うのか、八百屋から水を買うのかと考えた場合、すでに水がなくて彷徨っているのであれば、どちらのお店で買おうが大した問題ではない。水が入手できれば良いからだ。しかし、水がまだあるていど残っている場合には、どの店で買うか、金額はどうなっているかという比較を行うことになる。

コンサルタントもそれに似ている。

コンサルタントに依頼する状況というのは、2つしかない。

一つは、上手くいっている状況の中でより攻めに転じる場合に活用する方法。もう一つは、資金が枯渇しそうで本当にやばい状況。現実的には、後者の方が圧倒的に多いわけである。

ならば、もう失敗もできないという状況の中で、社長がどういう判断を行うのかということになる。

砂漠の例でいうならば、とりあえずどこでもよいから「水」を求めるのか、あるいは、水専門店でないと質の悪い水だからやはりそちらと思うのか。

いずれにしても、中小企業診断士の資格は、そういった比較、検討、判断をされるときに一要因として考慮されることはあると思う。最近では、インターネット上で経営コンサルタントを名乗る人は増えているが、中小企業診断士を持っている人はそれほど多くはないからだ。

でも、資格を持っていると「適切なおいしい水を提供できる」かどうかはまた別の話となる。

資格がなくても実績をたくさん持っているコンサルタントも多いからだ。

こういった微妙な判断を支援を受ける側はしているわけである。

ここに、コンサルタントの営業の難しがあるのであるが、それはまたいずれ述べていきたい。

いずれにしても、民間企業などではそれほど中小企業診断士の知名度は高くはない。

しかし、だからといって無価値というわけでもないことは事実である。

要するに、入り口として相手の懐に入り込むための道具には大いになりうるものである。だからといって、その先に控える、本当に相手の懐に入り込んで信頼関係を結べるのか、というところまでは資格だけではうまくいかないといえる。

中小企業診断士になっても、基本的にはその資格はほとんどの人が知らないと考えてよい。

そうしないと、あまり過信してしまうことで肩透かしを食らうことになるし、「中小企業診断士になっても食えない」と言っている人たちは、資格を自分の中で過大評価しているに過ぎないのだ。

 

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