インターネットの登場はある意味でビジネスモデルの大きな変換であるといえる。これは、誰もが異論のないところであろう。
HPを持っていない会社というのは、顧客からすれば「不安」材料を抱えるほど、インターネットをどのように活用するのかということは企業にとって大きな関心事である。まだまだHPなどを保有していない企業も存在する一方、多くの企業は取り組みを始めている。
早くからHPなどにチカラを入れていた企業は、インターネット経由で大きく売上を伸ばしている企業も存在する。あるいは、インターネットのみで収益を上げているビジネスモデルも少なくない。
今現在も、まだまだインターネット上には多くの企業が参入している。もちろん、これからの参入ということになれば「後発組」ということになる。だからといって不利ということもない。
インターネットで成功するかどうかは、そこに戦略があるのかどうかで決まる。
すなわち、いくらインターネットに早めに着手していても、それを全く有効に活用することができていない企業も大いし、後発であっても明確な戦略を前提に売上増加に大きく寄与させている企業も存在する。
つまり、インターネットは魔法の杖ではない。
そういった本質を語らずに、あたかもインターネットが全てというような風潮はおかしいと考える必要があるだろう。経営コンサルタントの中にもインターネット至上主義的な人がいるが、インターネットが有用であるかどうかは企業によって異なる。
もちろん、クライアント企業の中でもインターネットの効果を信じて疑わない経営者も多い。インターネットに今後の命運を託すという経営者もいるぐらいであるが、しつこいようであるがインターネットはお金を自動的に生むキャッシュマシーンではない。
使い方によっては24時間営業を無休・無給でしてくれるかも知れないが、更新の滞りなどでむしろHPを保有していることがマイナスになるということも現実的には存在する。だから、経営コンサルタントが言うほど単純なものでも、誰でも売り上げが上がるような簡単なものでもない。
インターネットにチカラを入れるよりも、リアルの世界で営業の見直しなどを行ったほうがよほど早く業績が向上することもある。インターネットビジネスというのは、あくまでリアルのビジネスをインターネットで展開しているだけであるから、リアルで上手くいっていないからといって活路をインターネットに求めたところで、そんなに簡単に上手く行くものではない。
あくまでインターネットは手法であって、重要なのは企業の戦略上にインターネットという手法が必要かどうかということになる。
インターネットは上手く使えば貢献度合いは高い。しかし、ほとんどの会社が実態として使いこなせていない現実を見る限り、戦略的な視点が欠けていると考えて良いだろう。
本質をしっかりと見ていかないと手法にはまってしまう。やり方は常に変わっていくもの。しっかりとした考え方を戦略的に展開していくことが大切である。