経営コンサルタントになれば多くの人に「情報を伝える」という業務が増えてくる。特定の少数の場合もあれば、講演やセミナーなど数百人が集まる場合もあり、さまざまなシーンが想定される。
いずれにしても、人に何かを伝えるという職業であるということは否めない。経営コンサルタントというのは自分で何かをするということではなく、人に知識などを提供して行動してもらう。
あくまで行動に起こすのはクライアントや話を聞いた受けての側であって、コンサルタント自身ではない。
そう考えると、経営コンサルタントの語る内容というのは一定の影響力を持つことになる。しかし、コンサルタントであれば誰でも影響力を持つということではない。影響力を行使するためには、そのコンサルタントの「経験」に大きく依存するところがある。
どんなに学があっても、机上の空論しか知らなければ聞き手にそれほどの説得力を与えることはできない。実際にどのような経験をして、どのような行動をしてきたのかというバックボーンたる経験・実績があってはじめて聞き手に影響を及ぼすことになる。
コンサルタントは紙に何かを書くと言うことが好きである。それは単語を中心としたメモを取ることであったり、中には意味不明な記号のようなものを書くコンサルタント、あるいは、表のようなものを書くコンサルタントなど、実にさまざま。
いずれにしても、共通しているのは何かを残すという側面よりも、何かを整理するという側面が強いことである。
クライアントと話をしていると、頭が混乱しているクライアントが大半であることに気付く。つまり、本来は問題はないということを、延々と問題視して考えているということが多い。
それは、多くの場合、頭だけで考えようとするとそういったことになりやすいのである。
本来であれば、アクセルを踏んでどんどん前に進まなければ経営者としていけないという場合にも、なぜかブレーキを踏んでしまう。アクセルを踏みながらブレーキをかけているようでは、当たり前であるが前に進まないか、全開で前に進むことはできない。
経営コンサルタントは、紙を使ってアクセルを踏もうとする。
ビジネス系の女性のみならず、多くの女性から支持を得ている勝間和代さん。著作も多く、一冊ぐらいは読んだことがある人も多いだろう。
勝間さんは、公認会計士・経済評論家という肩書きがメインとなっているが、実は「中小企業診断士」でもある。しかし、自身が中小企業診断士であることは最近はあまり言わなくなったようだ。
昔の著書には中小企業診断士であることが語られている。一発で合格したということであるが、当然と見るのが普通だろう。中小企業診断士は2次試験にはまっている受験生も多いのだが・・・。
ところで、なぜ中小企業診断士という資格名を肩書きとして使わないのだろうか?それは「意味がないから」と考えるのが妥当だろう。
経営コンサルタントを目指している人で、販売士検定を受験している人は多い。
実際、経営コンサルタントと名刺交換をしていると、「1級販売士」や「2級販売士」という肩書きを見る機会が結構ある。
経営コンサルタントといえば、「中小企業診断士」をイメージするが、実は流通業界の世界では、「販売士検定」の方がブランドが高い場合もある。
中小企業診断士と言っても「何?」というクライアントが、1級販売士というと、「販売士の1級をお持ちなのですか!」と急に態度が変わるということもあるのだ。
販売士検定は日本商工会議所が主催するもので、昔から実施されている検定試験。商工会議所が主催しているため、中小企業診断士のように国家資格ではないが、1級レベルになるとその評価は昔も今も極めて高いものとなっている。
日商の検定群は1級と2級の差がどれも大きく、1級と名の付くものは実務界でも高い評価を得ている。例えば、簿記検定の1級も高い評価を得ており、税理士試験の受験資格が与えられるなど、特典が存在している。
経営コンサルタントは、魔法使いではない。
そこを勘違いしている経営コンサルタントはあまりいないと思うが、依頼側のクライアントにはそういった人が多いのだ。
経営コンサルタントに頼めば「素晴らしいアイディアが出てくる」「売上を増やしてくれる」そんな関心事を抱いている。あたかもコンサルタントを紙のように崇拝するクライアントまで存在しているが、それは過度な期待をしすぎである。
そういった幻想を抱かせてしまう経営コンサルタントも問題があるといえばあるのであるが。
経営コンサルタントは「整理」する能力に長けている。
つまり、経営者が考えていることは一般的にゴチャゴチャしてしまっていることが多い。経営コンサルタントはそういったゴチャゴチャしている経営者の交通整理を行なうことがメインとなる。
経営コンサルタントがアイディアを出すのではなく、経営コンサルタントは経営者の頭の中を整理しながら、適切な方向に導いていくことがポイントなのだ。
その意味で、経営コンサルタントに求められるのは整理能力であり、それを可能とするのがさまざまなフレームワークである。
フレームワークを用いて経営者の頭の中を共に整理していく。これが経営コンサルタントの役目と言ってもよいだろう。
その過程で、さまざまな知識が経営コンサルタントには求められることになるのだ。