経営コンサルタントの場合、顧客を見つけてくるのが難しいと言われる。米国などに比べて、経営コンサルタント業と言うのはまだまだ一般的ではない。そのため、営業方法も確立されておらず、紹介などによる顧客(クライアント)獲得が基本と言われる。
経営コンサルタントに憧れて、大手の経営コンサルティング会社に入社したものの、その業務内容は「コンサルティングの営業」ばかりという見習いの経営コンサルンタントも多い。大手の経営コンサルティング会社、コンサルティングファームでは、営業力があるかどうか、顧客を獲得できるかどうかが出世のターニングポイントとなっている。
コンサルティングの能力・実力よりも、営業力・営業センスが評価対象であり、中には経営コンサルタントとしての仕事を一切させてもらえずに、単なる営業マンとして散々使われた挙句、成績が悪いと使い捨てにされてしまうと言うこともあるようだ。
そういった現状の是非はともかく、大手のコンサルティング会社だろうが、ファームだろうが、シンクタンクだろうが、個人の経営コンサルタントだろうが、結局は営業力がなければ経営コンサルタントしてはやっていくことができない。
だからと言って、バリバリと営業をすることが難しいのが経営コンサルタントでもある。自ら「暇」なことをアピールするようなものだ。経営コンサルタントは常に忙しくなければならないし、例え忙しくなくても「忙しいふり」をしなければならない。
忙しい経営コンサルタントにクライアントは頼みたいのだ。
経営コンサルタントとして独立を目指す人は少なくないようだ。確かに、経営コンサルタントと言う職業は、雇用されている限り自分のやりたいことが本当にできるわけではないし、能力のあるコンサルであれば独立した方がはるかに収入も大きくなる。
一定期間の修行は必要だとしても、もともと経営コンサルタントを目指す人は勤め人としての素質に欠ける面がある。これは、善し悪しは別として、実際に経営コンサルタントには変わり者が多いのだ。
経営コンサルタントが独立する際には、「ネットワーク」が重要だと言う人がいる。ネットワークとは、一種の人脈的なものと理解して良いだろう。
経営コンサルタントが抱える案件は、1人でこなすことができないものも多い。依頼された仕事が総合的な経営コンサルティングに該当する場合、様々な専門的な知識が必要で、全ての専門知識を有する経営コンサルタントは少ないわけだから、その道の専門家に依頼をする。いわば、下請けに出すのである。
結果として、自分はチーフ経営コンサルタントの役目を担い、ITはIT専門のコンサル、財務は財務専門のコンサルと言ったように、何人かの経営コンサルタントで共同して業務を担当することがある。
要するに、仕事の融通のことだ。これは、自分が受注すれば自分は仕事を出す側になるし、知人が仕事を受注すれば自分は下請けコンサルタントとなる。こういったことは昔から行われており、その意味でネットワークが重要だと言われているのだ。
経営コンサルタントの中には、収入の多くを公的機関に依存しているケースが多い。善し悪しは別として、そのような実態があるのは事実で、一昔前はそれでかなりの収入を得ることができた。
現在でも、収入の全てが民間企業等からという経営コンサルタントは少ないだろう。少なくても、講演や研修など公的機関からある程度の依頼があって、それなりの収入になっている経営コンサルタントが多いはずである。
一方、公的機関の予算は縮小傾向であり、経営コンサルタントにも影響を与えている。特に、今回の一連の事業仕分けは経営コンサルタントの中でも、特に地方の中小企業診断士には死活問題になる可能性がある。
地方での経営コンサルタントが関わる案件は、東京の業務量の100分の1程度といわれ、ごく限られたパイを奪い合っている状況なのだ。
経営コンサルタントに必要な要素はいくつかあるが、その大前提として「人が好き」でなければ務まらないというのがある。
経営コンサルタントの業務の大半は、人との交わりが前提になる。もちろん、パソコンと向き合って業務を行うことも多いのであるが、常に人との関わりが不可欠である。
時には経営者とかなり親密な関係になることもあるし、社員に対して情熱的に振舞うような必要性もある。いずれにしても、最初と最後は人と接することが必要であり、その意味で人が好きでなければ経営コンサルタントを続けるのは難しい。
人が好きであるということは、人との繋がりを重視するということでもあり、これが経営コンサルタントにとっての営業活動そのものである。
経営コンサルトへの業務依頼は、人とのつながりから発生するものも非常に多いのである。
経営コンサルタントの中でも、特に中小企業診断士は公的業務の受注割合が高い。公的機関とは、主に商工会議所や商工会、中小企業団体中央会の商工3団体が中心となる。
もちろん、それ以外でも市町村など様々なところから依頼があり、これらの依頼は中小企業診断士の資格を持つ経営コンサルタントに多く依頼がある。これは、ある意味中小企業診断士資格を持つ人間の特権だろう。
中小企業診断士は、国が認める唯一の経営コンサルタントの国家資格とあって、公的機関の担当者も無難に依頼することができるという側面もある。下手な経営コンサルタントに業務の委託を行って、問題でもあれば大変である。特に、経営コンサルタントは使ってみないと分からないということもあり、中小企業診断士の有資格者であれば国家試験を通過しているのだから、無難なわけだ。
中小企業診断士資格は、独占業務がないため「食えない資格」「使えない資格」の代表例として揶揄されるが、実はそれなりに評価はされているのだ。