経営コンサルタントには、ある程度の図々しさや図太さが必要だ。その典型的な例が、忙しいふりをすることだ。
普通に考えば、忙しい人ほど貴重な人財である。忙しい人ほど優秀である。忙しいほど、売れっ子である。これらは、人間の心理として疑う余地がない。つまり、「忙しい」というのは、経営コンサルタントにとって「武器」にもなり、それが「信頼」にもなっているのだ。
コンビニにが2つある。1つは、お客さんでごった返して店員が忙しそうに動き回っているお店。もう一つは、店内がガラガラで、お客さんはほとんどいないお店。
あなたならこの2つのお店のどちらに入店するだろうか?
ほとんどの場合、店内が混み合っているコンビニの方に入る可能性が高いといえる。そこには、ここなら大丈夫と言う安心感と、そして理由は定かではないものの何らかの信頼をそこには抱いているからだ。
普通に考えれば、どこのコンビ二でも販売している商品も値段もそれほど変わらない。しかし、混み合っているお店の方がなぜか魅力を感じてしまう。そして、わざわざ並んでまでも購入しようとする。
これは、コンビニに限らず、ラーメン店など全て共通のことである。もちろん、経営コンサルタントでも同じことだ。
経営コンサルタントに限ったことではないが、報酬をもらう以上は「プロ」でなければならない。クライアント(顧客)は相手が新米だろうが、ベテランだろうが、報酬たるお金を払う以上はその対価を求める。
新米だからと言って、報酬と交換する対価のレベルが低いと言うことでは済まされない。もちろん、クライアントは新米と言う前提である程度は割り引きして考慮してくれるかも知れないが、そもそもそれに甘えていては経営コンサルタントして今後の活躍が危ぶまれることになる。
基本的には、報酬をもらう以上は自分はプロでなくてはいけない。これは、自分自身を売り物にする職業では必須の条件となる。
一方、現実的には昨日から経営コンサルタントになって開業した経営コンサルタントと、30年現場を見て活躍している経営コンサルタントは仮にプロだとしても同じレベルかと言えばそうとはいえない。
やはり、新米は新米であって、ベテラン以上と言うことではない。しかし、クライアントからすれば両者は共にプロであると思っている。
だから、新米経営コンサルタントでも、自分に自信を持つことが重要だ。
経営コンサルタントはかなり孤独な職業である。もちろん、人と触れ合う機会は非常に多いし、人との接点がまるで無いということではない。一方で、孤独に陥ることも結構あるのだ。
例えば、クラインアント企業への経営コンサルティングの場合には、社長以外とは孤独な関係になることが多い。通常、経営コンサルタントを入れるのは、社長の単独決裁で行われることが多く、社長以外の社員からは総スカンを食らう場合もある。
経営幹部や社員からすれば、経営コンサルタントはウザイ存在以外の何者でもない。善し悪しは別として、社員の立場からすれば、現状を変えるということに対しては少なからず抵抗を持っている。できれば、今の状況を変えたくないというのが本音なのだ。
経営コンサルタントは、問題点を発見し、原因を考え、課題を設定し、改善策を出して実行に導くようにする。これは、社員からすれば何とも面倒な存在なのである。
経営コンサルタントは様々な業務を並行して進めていくことが要求される。1週間のスケジュールを見ても、クライアントへの支援であれば、1社と言うことはなく、数社への業務が混在し、さらに、講演や研修などの業務が入る。
もちろん、コンサルティングだけに特化している経営コンサルタントは講演や研修はほとんど入らないが、それでも頼まれれば嫌とも言えない。同様に、講演や研修を主要な業務としている経営コンサルタントにも、講演や研修を通してコンサルティングの依頼が入ることは少なくない。
特に、講演や研修を専門に行っている経営コンサルタントの場合、スケジュールは半年先まで埋まっているのが通常だ。中には、1年先までびっしりと言うコンサルタントも多い。
スケジュールは先に入ったものが「絶対」である。特に、講演や研修と言うのは、自分の都合でスケジュールを変更することはご法度。しかし、世の中上手くできているもので、スケジュールが埋まっているときほど、さらに仕事が舞い込む。しかも、先に入っている予定よりも良い案件(自分にとって都合の良い案件。例えば、謝金の金額が大きいなど)が入るものだ。このスパイラルに入ると、ひたすら忙しい日々に突入する。
逆に、暇なときはかなり暇になるもの。と言うよりも、暇になってしまうと、一向に仕事が入らなくなる。これを、負のスパイラルとするならば、意外とこういった状況に陥っている経営コンサルタントは多い。
一時期流行った、勝ち組と負け組みである。
経営コンサルタントに必要な能力には、いろいろなものがある。話す力も必要であるし、書く力も必要だ。もちろん、それらは説得力を伴うものでなければならない。単なる机上の空論では誰でも耳を傾けてくれないし、本に書かれているような内容であれば、わざわざ経営コンサルタントから聞くまでもない。
経営コンサルタントである以上、それなりの実体験、経験を絡めながら具体的で説得力の高い説明が必要になる。
そうでなければ、依頼者・顧客・クライアントが納得することはない。
そうだとすると、誰にでも同じ話をしているようではダメだ。相手に合わせて内容を変えていく。説明の順序を変えていく。話題を変えていくということが必要になる。
そこで、話す力・話す能力以上に重要になるのが、「聴く力」である。
これができていない、あるいは不十分な経営コンサルタントが多いのには非常に残念に思う。そもそも、経営に関わる問題や課題というのは極端な話、一つとして同じものはない。だからこそ、相手の状況をしっかりと確認するスキルである、「聴く力(ヒアリング能力)」がとても重要になるのだ。