経営コンサルタントに対するニーズは基本的に広がっていると考えてよいだろう。日本人は目に見えないものにはお金を払わないと言われ続けてきたが、最近では情報にお金を払う感覚が出始めてきた。まさに、インターネットの効能ともいえるものだ。
それに伴い、経営コンサルタントの業務は拡大している。従来までは大企業が主な顧客であり、それらは都市部に集中していた。しかし、最近では地方の中小企業も気軽に経営コンサルタントに業務依頼を行うようになっている。
経営コンサルタントにとっては、まさに今がチャンスとも言えるだろう。人気のある経営コンサルタントであれば、引く手あまたの状況である。
一方、少し視点を変えてみる。
実は、経営コンサルタントを志願する人も増えているのだ。今まではなかなか独立しても食っていくのが厳しい職業であった。しかし、インターネットを上手く活用することでコンサルティングなどの事業を軌道に乗せている経営コンサルタントも多い。しかも、それらの経営コンサルタントは若手が躍進している。
そういった状況を目の当たりにすることで、同じように経営コンサルタントとして成功を夢見る人が増えている。
経営コンサルタントして唯一の国家資格である中小企業診断士の受験生も毎年増加しているのだ。
多くの経営コンサルタントを見ていると、なんだかんだ言って繁閑の差が激しいようだ。経営コンサルタントの業務は、忙しい時は忙しいし暇な時は本当に暇だ。
忙しい時ほど、仕事が舞い込む。しかも、「断れば断るほどどんどん仕事が舞い込む」という善循環が起こる。既に予定が入っている日に限って、それよりもより良い条件の仕事依頼が舞い込んだりするものだ。
もちろん、その逆も言える。暇な時は徹底的に暇だ。もちろん、資料整理や雑務をこなす分には良い時間となるのであるが、生産性=お金を生み出しているかと言えば、どれも間接的なものにとどまっている。つまり、直接的に報酬につながるような業務が全く来ない。
このような暇な状況が続くと、特に独立経営コンサルタントは焦ってしまう。
経営コンサルタントは基本的に経営に関する相談であればどんなことでも引き受けることが可能だ。一方で、どういった顧客と付き合いたいかを明確にすることも重要である。
何でもできると言うのは、オールマイティに見るが、実は何もできないと言うことでもある。自分には「これしかできない」「これができる」と言う専門性や特徴を磨くことも重要だ。それが、経営コンサルタントにとっての差別化なのだ。
同様に、八方美人的な人は誰からも好かれることがない。みんなに良い顔をしようと思ってもそれは無理であり、大事な人を失くしかねない。
付き合いたい相手を決める。つまり、自分にとっての顧客を明確にすると言うことが重要になる。これは、自分の専門性や特徴をより際立たせると言う側面も持つ。
経営コンサルタントは、修行の時期とも言われるが最初からそれほど多くの仕事が回ってくるわけではない。せっかく独立したのに、あるいはフリーで活躍しようと思ったのに、思うように仕事を受注できずに結局サラリーマンに戻ると言う経営コンサルタントも実は多い。
経営コンサルタントの仕事は、一部の経営コンサルタントに集中する傾向があり、その意味で偏りがあるといえる。それは、経営コンサルタントと言う職業が、サービス業であり、提供するサービスが無形であることから、使ってみなければ分からないということが大きな理由だ。
企業からすればそれなりの報酬を支払うことになるため、失敗は許されない。結果的に、信頼などがある無難な経営コンサルタントに依頼をしようとする。
日本人は、昔からある者、古くからやっているものに「信頼」を抱きやすい。そのため、善し悪しは別として、古参の経営コンサルタントに仕事の依頼が多く舞い込む構造になっている。特に、地方に行けばその傾向は顕著で、昔から「あの先生」という構図ができている。
経営コンサルタントの登竜門的な資格である、中小企業診断士。経営コンサルタントになるには特に必須の資格と言うわけではないが、経営コンサルタントに必要な知識を一通り押さえることができると言うこともあって人気の資格試験である。
中小企業診断士には独占業務は無い。そして、経営コンサルタントは中小企業診断士を持っていなくても名乗ることができる。(中小企業診断士と名乗るには、中小企業診断士の有資格者で、かつ、登録をしている必要がある)
そのため、「中小企業診断士は役に立たない」と言われることが多いようだ。確かに、人気の経営コンサルタントやベテランの経営コンサルタント、すなわち、中小企業診断士などの資格に頼ることなく仕事がバンバン取れる経営コンサルであれば、中小企業診断士など必要ないだろう。
しかし、経営コンサルタントの世界はいきなり仕事が取れるほど単純な世界ではない。だから、修行や経験が必要だと言われる。しかし、それにも矛盾があって、「修行や経験を積むための仕事すら取れない」ということがあるのだ。
そこで、中小企業診断士を持っていると、公的機関などからスムーズな業務の受託(つまり、仕事をもらうことができる)を行うことができる。これが、中小企業診断士資格の大きなメリットだ。