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コンサルタントの世界

経営コンサルタントの必要資金

経営コンサルタントは、基本的に労働集約型の業務であるから、資金はそれほど掛からない。しかし、経営コンサルタントとして創業、開業、独立するためには最低限の資金が必要になる。

その資金の最も大きいものが、「交通費」である。最初のうちはなかなか仕事を選ぶことが難しいため、どこへでも飛んでいくことになる。もちろん、これらは最終的にはクライアントが負担するのであるが、一時的には経営コンサルタントが立て替えることになる。

この額が正直言って馬鹿にならない。

例えば、沖縄のクライアントからコンサルティングの依頼が入ったとしよう。自分が東京にいるのであれば、東京と沖縄間の交通費の負担が生じることになる。通常は2週に1回程度の訪問が一般的であるので、1月の交通費は東京と沖縄の2往復分に加え、宿泊費も必要だ。

仮に、1往復が10万円、1回の宿泊が1万円だとしても、1月に必要な交通費と宿泊費は22万円。末締めで翌月の末に報酬を支払われるという契約条件の場合、最大で2ヶ月分資金が寝ることになる。つまり、44万円は最低でも確保しておかないと、悲しいことに資金が枯渇する。

もちろん、今の仮定は単に沖縄の1社との業務を行う場合であって、他に北海道や海外などが入ってくると、交通費の負担だけで1月に100万円を超えることも珍しくはない。交通費と言うのは意外とお金が掛かるのだ。

だからと言って、創業当時の依頼であれば、仮にクライアントが遠方であっても断ると言うのはなかなか難しいものだ。背に腹はかえられないし、経営コンサルタントと言うのは特殊な事情を除き、一度断ったら次はない世界。

仕事をもらえること自体が、コンサル業界の厳しい競争環境においては奇跡的なことだとすると、やはり受けておきたいところだ。

よって、立派な事務所や設備などそれほど固定費は掛からないものの、変動費と言う意味での交通費は大きい。交通費がないから依頼を断るというのは避けたいところである。

最初の段階では、やはりそれなりの資金を用意しておいたほうが無難だろう。経営コンサルタントは法人(会社)組織にせず、個人事業主として活躍することも全く問題ない。しかし、この場合は資本金が十分に存在しないことも多いので、交通費程度は予め読み込んでおかないと痛い目に合うかも知れない。

少なくても、100万円程度の資金は見積もっておく方が良いだろう。

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