経営コンサルタントは何でも屋?

経営コンサルタントには「専門性が必要だ!」とよく言われる。

確かに、クライアント(問合せ者含む)からすれば、どういった経営コンサルタントなのかを知る上で、専門性が明確となっていたほうが依頼はしやすいし、探しやすい。

そう考えれば、仕事の依頼を獲得するために経営コンサルタントは専門性を磨き、そしてそれを打ち出すことが肝要であるといえる。

ただし、これはあくまで入り口の話。

つまり、依頼しやすい、相談しやすいようにそういった専門性を磨くことは有効であるにしても、実際の依頼内容というのはまったくもって専門外のこともことのほか多い。

経営コンサルタントの重要な能力として「ヒアリング力」がある。顧客(あるいは顧客となり得る人)は、自社の問題を予め明確に把握しているとは必ずしもいえず、むしろ、ヒアリングを進める中で当初の問題点が「顧客の思い込み」であることも少なくない。

こういった場合、経営コンサルタントは「自分の専門外であるから断る」か、「話を聞いた以上何とか引き受ける」のいずれかの選択を迫られることになる。

この選択の是非は経営コンサルタントのスタンスの問題であるからどうこういうことではない。

ただし、「どんなことでも引き受ける」のであれば、例えばそれがゴミ掃除に近いものであっても、経営コンサルタントの業務の内容として含まれることになる。

結果的に、経営コンサルタントは何でも屋に近い存在になっていく。

実際にクライアントと話をしてみると分かるが、クライアントが抱えている問題はさまざまであり、ほとんどの場合、「問題を拡大解釈」していることが多い。

つまり、本質的な問題ではない問題を問題にしてしまった結果、どんどん本質からそれていっている、これが現状だ。

それが経営コンサルタントにはしっかりと見抜けないといけないのである。

そして、見抜いた結果の本質が、「ゴミ掃除を行なうこと」で解決する場合も少なくない。この場合、喜んでゴミ掃除を経営コンサルタントして引き受けることも良いだろうし、あるいは、ゴミ掃除は専門外として断ることも良いだろう。

ゴミ掃除に限らず、顧客のフリをしてサクラになることもあるだろうし、従業員の前で泣く必要もあるかも知れないし、スーパーに買物に行く必要があるかもしれない。

いずれにしても、経営コンサルタントとして「本質が見抜ける力」があるのであれば、クライアントにとっては素晴らしいことである。

2件のコメント

  • 独立コンサルタント志望

    この記事の趣旨、よくわかりますね。

    当たり前の話ですが、経営コンサルが扱うのは、企業経営の最上流の問題ですから、マーケティング、管理会計、IT等と、初めから綺麗に区分けされたものは少ないですよね。

    また、経営というのは、そういう曖昧な問題に日々取り組むことでもあるので、クライアント側も問題の本質を勘違いしている事が大いにあると思います。

    そういうものを丹念に解きほぐして、すっきりした問題にブレークダウンできるだけの、幅広い知見やインタビュー・スキルが、経営トップの相談相手たる経営コンサルタントに求められるものだと思います。

    ただ、それだと顧客獲得が難しいというのは、悩ましいところです。

    ブログ主様は、経験豊富な経営コンサルタントだとお見受けしましたが、そのジレンマにはどう対処されていますか?

  • consultant

    コメントありがとうございます。

    なかなか難しい質問ですが、私の場合は割り切っています。
    つまり、経営コンサルタントだけの柱ではなく、自らが別のビジネスの柱を持つということです。

    経営コンサルタントとして仕事が受注できるかどうかというのは、狙うこともできますが、やはり変動性がきわめて強いというのが実情です。
    時に死ぬほど忙しいほど依頼が舞い込むこともありますし、かと思えばまったく依頼がないということも現実的にあります。
    これは、季節変動といったことではなく、特に理屈で説明できない流れのようなものがあるようです。

    顧客拡大を狙って自分自身をアピールするマーケティング活動を行うことももちろんできます。
    しかし、経営コンサルタントは自分が目立つというのが趣旨なのではなく、企業を裏から支えるというのが本題でしょう。

    ならば、やはり積極的に顧客開拓を行うのはその経営コンサルタントがどのようなスタンスでビジョンを持っているのかで変わってきます。

    私の場合には、経営コンサルタント業だけで生活しようとすると、ガツガツしてしまって結果的に依頼が入らないという印象を持っています。
    ですから、別に事業会社を持ち、経営コンサルタントの依頼がなくても生活できるような柱を構築しています。

    その方が、余裕が持てて、何をやるにしても大変重宝します。
    特に、自らも経営者としてさまざまな苦労を経験しますから、社長の気持ちがわかるというのは有意義なことです。

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