クライアントと経営コンサルタントの関係

経営コンサルタントとしては、クライアント(すなわち、依頼主。通常は、企業の社長や幹部クラスとなる)との関係をどうするのかということは意外と微妙な問題である。

もちろん、信頼という意味では深い関係であることが必要であるし、お互いに何ら隠し事せずに話をできるぐらいの関係が欲しいところである。しかし、経営コンサルタントからみた「顧客」という観点で考えると、極めてそれは悩ましい問題となる。

それは、経営コンサルタントとしての使命ともいえるべきものと密接に関係しており、なかなか厄介なものである。

 

経営コンサルタントの業務として、経営コンサルティングがある。まさに、経営コンサルタントの中心的な業務であり、コンサルティングは経営コンサルタントにとって醍醐味的な仕事であるといえる。

経営コンサルティングにおいては、通常2つの契約形態が存在する。

1つは、スポット型。もう一つが顧問型。

スポット型というのは、短期的なコンサルティング活動のことをいい、一般的には長くても1年以内で終了となる。数ヶ月という期間を決めることもあれば、特定の課題(目的)に基づいて期間をはじき出し、その課題をクリアするまで行う場合もある。

いずれにしても、スポット型の場合には、経営コンサルタントとクライアントの関係は短期的なものである。

一方、顧問型は、1年や2年、あるいは特に期間を定めずに行うコンサルティング契約のことである。この場合、継続的な支援が開始され、その都度課題等を抽出しながら、その解決に向かってコンサルティングを行っていくことになる。

経営コンサルタント側から考えると、自分と顧客という観点で上記の契約形態はやや異なるといえる。

まず、経営コンサルタント自身としては、顧問型の方が、自らの収入は安定するというメリットがある。スポット型では、安定した収入というまではいかない。ただし、それなりの大きな金額となるケースが多い。

一方、クライアント側からすれば、どちらが必ずしも有利であるとはいえない。やはり、自社がどのような目的を持っているのかに沿って経営コンサルタントに依頼をする必要があるからだ。

しかし、経営コンサルタントの本質を考えた場合、長期顧問型の場合には注意が必要であるといえよう。

なぜならば、長期顧問型コンサルティングの場合には、クライアントに依存傾向をもたらしてしまう可能性が存在するからである。クライアントが自分で意思決定をできなくなってしまえば、それは経営コンサルタントの目指すべきところではない。

経営コンサルタントからすれば、自分なしでクライアントが何もできない状況というのは、ある意味自分の収益を安定させる結果となる。それは、長期のコンサルティング契約が継続的に続くからである。

一方、逆の見方をすれば、クライアントの意思決定能力を欠いてしまったのはコンサルタントでもあり、これは、経営コンサルティングの本質からいえば少しずれているともいえる。

経営コンサルティングというのは、企業が自らさまざまな経営課題を考え、それを自らの意思決定により行動に起こし成功することを支援することである。

もちろん、経営コンサルティングの目的は経営コンサルタントによって様々であるとはいえ、やはり企業の意思決定能力を欠如の方向に導いてしまうようであれば、それは仮に業績が向上したとしても経営コンサルティングの成功とは必ずしも言えないだろう。

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