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コンサルタントの現実

悪い口コミの広がり

経営コンサルタントは、良い口コミはなかなか広がらないことは以前ご紹介した通りだ。

その理由は簡単だ。クライアント企業、すなわち顧客が経営コンサルタントを独り占めしようとするからである。優秀な経営コンサルタントとは、クライアントに利益をもたらすことができる能力を持つ。

規模が大きい企業であれば、その利益の額たるや半端ではない。つまり、優秀な経営コンサルタントはクライアントから見れば、自分たちに利益をもたらしてくれる打ち出の小槌のようなもの。そういった道具を手放すクライアントは少ないだろう。また、経営コンサルタントを紹介することで、自分のところを見てくれなくなる可能性もあるし、報酬額の変更を経営コンサルタントから言われる可能性もある。経営コンサルタントも顧客が増えれば、それなりに報酬増額を検討するからだ。

だから、人に紹介せずに、自分だけが儲かろうとする。これがクライアント側の心理である。もちろん、それがいけないわけではない。実際、経営コンサルタントとしても、安定的な顧問報酬をもらうことができるクライアントがいれば、長期的に収入は安定する。もちろん、お互いに依存関係になるのは良くないとしても、お互いにデメリットがなければそれはそれで問題ないとも言える。

一方、上手く行っている場合には問題にならないが、クライアントの怒りを買うと面倒なことになるのが経営コンサルタントでもある。

自分に利益をもたらしてくれる経営コンサルタントに対しては非常に好意的なクライアントも、自分たちにとって害になる存在の経営コンサルタントには非常に冷たい。

具体的には、経営コンサルタントが成果を出せなかったときなどは、徹底的に悪い評判を流す企業も少なからずいる。

しかも、最近ではインターネットの普及により、悪い口コミを簡単にしかも広範囲に流すことができるようになったため、経営コンサルタントからすれば驚異的な存在である。

自分たちにとって都合の良い経営コンサルタントは囲い込み、都合の悪い経営コンサルタントははじくと言うのは道義的に問題があるのであるが、それがお客様であるクライアントではそう強くもいえない。

そもそも、経営コンサルタントができることは限定されている。実行の支援までを行うのは顧問であっても難しいし、そもそも行動に起こすかどうかはクライアント企業次第なのだ。しかし、実際には、その成果も経営コンサルタントに押付けられることになる。

いずれにしても、悪い口コミを流されることにないように、経営コンサルタント側も自衛手段が必要だろう。その大前提として、経営コンサルタントはサービス業であり、顧客満足度の向上が求められていると言うことだ。

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