講演・研修・セミナーの講師になる(1)

講演とセミナーは似ているもの、むしろ「同義」と考えてよい。一方、研修とは明確に区分される。その決定的な違いは、参加者の意識である。

講演やセミナーは、一般から参加者を集うことが多く、その意味で参加者の意欲は高い。自主的にお金を払って参加しているからだ。しっかりと知識を身につけたい、払った代金以上の元を取りたいと考えている。

講演・セミナー・研修は一般的に似たイメージがあるが、参加者の意識が異なる。そして、それを行う側も意識を変える必要がある。

研修の場合には、講演やセミナーに比べて参加者の主体性は低い。なぜならば、公開型の研修は講演やセミナーのように参加者の意欲は高いが、研修と言うのは一般的に企業研修を指す。

企業研修、すなわち社員研修と言うのは、会社の都合で実施されるものであり、社員の立場からすれば意欲は低い。なぜ、この忙しい時期に研修などしなければならないのか、面倒だと言うようにたいていは考えている。

経営コンサルタントからすれば、こういった参加者が異なる前提の基で講演・セミナー・研修に臨んでいるということをしっかりと意識する必要がある。

そうしないと、大きな失敗を犯してしまうことになりかねない。

具体的に考えてみよう。

まず、講演やセミナーと言うのは、一般の人が自らお金を払って(つまり自腹で)貴重な時間を割いて参加している。

その分、参加意欲は非常に高いので、講師たる経営コンサルタントとしては講師冥利に尽きる。

一方、参加者のレベルは高い傾向にある。わざわざお金を自分で払ってくるのであるから、それなりに勉強好きの参加者が多い。そのため、要求される水準は極めて高いものとなる。

単に本に書いてある内容や、一般的なこと、誰でも知っていることを話したくらいでは、満足度は相当低く、中にはクレームを付けられる経営コンサルタントも多い。講演やセミナーと言うのは、経営コンサルタントからすれば「顧客発掘の場」であり、貴重な営業の場であるはずだ。

しかし、講演内容が参加者の満足度を下回る場合、顧客を増やすどころか、主催者から二度と講演に呼ばれることはない。

講演やセミナーに参加している参加者の目は非常にシビアである。故に、実務と理論と実践的な内容を上手く融合し、しかもコンパクトにそれを伝えることがポイントだ。講演やセミナーは研修と異なり、一般的に短時間での実施となるからだ。通常は90分から120分が基準となる。

この短時間のうちに、参加者の心を捉え、そして信頼性を獲得する必要がある。よって、講演やセミナーを自在にできるようになるまでは、ある程度の訓練が必要で、その訓練は「場数をこなす」ことが唯一の方法だ。

経営コンサルタントの中でも、「講演・セミナー」で参加者を惹きつけることができるのは、1000名に1人とも言われる。だからこそ、講演やセミナーがしっかりとできる経営コンサルタントになれば、それだけで差別化になるし、それだけで収入は安定する。実際に、講演とセミナーだけで、年収数千万円と言う経営コンサルタントも少なくないのだ。

研修と異なり、講演・セミナーを行う側は「講師」であり、「先生」ではない。講師は何かを教えるとよりも、何かを「伝える」ということが必要だ。ここら辺も研修と講演の違いと言えるだろう。

是非、講演やセミナーをきっちりとできるように「場数を踏む」ことを目指して欲しい。講演やセミナーは人気が出れば、口コミで仕事の依頼が多く来るし、また、リピート率も高いものとなる。

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